投資の勉強をするために、たくさんの本を読んで勉強しています。
『ゾーン「勝つ」相場心理学入門』を読んでいるだけでは記憶になかなか残りにくいため、インプットした知識を整理して、
- 「読んで勉強になったこと」
- 「理解が及ばず、さらに勉強をしなくてはいけないこと」
を感じたままに書き留めています。
とても勉強になりましたので、書評・要約のようにまとまっていないかも知れませんがご紹介いたします。
目次
『ゾーン「勝つ」相場心理学入門』とは?
| 読みやすさ | |
|---|---|
| 専門性 | |
| 役立ち度 |
- 著者:
- 出版社:パンローリング株式会社
- 発売日:2002/3/13
- ページ数:334ページ
【目次】
- 第1章 成功への扉――ファンダメンタル分析か、テクニカル分析か、それとも心理分析か
- 第2章 トレードの誘惑(そして落とし穴)
- 第3章 責任を取る
- 第4章 一貫性――心理状態
- 第5章 認識の力学
- 第6章 マーケットの観点
- 第7章 トレーダーの優位性――確率で考える
- 第8章 信念の役割
- 第9章 信念の性質
- 第10章 信念がトレードに及ぼす影響
- 第11章 トレーダー的思考法
『ゾーン「勝つ」相場心理学入門』は、一貫した勝者になるために重要な意義を持つ心理的アプローチを学ぶことができます。
具体的なトレード手法ではなく「トレーダー的思考法」を明確にすることができ、「ゾーン」に達するまでの心理的訓練ができます。
著者のマーク・ダグラスは『規律とトレーダー 相場心理分析入門』を書いており、その次作になります。
また、『ゾーン「勝つ」相場心理学入門』の次作として、『ゾーン 最終章』が出版されています。
『ゾーン「勝つ」相場心理学入門』を読んで勉強になったこと

何かがマーケットが起こりそうな「予想」と実際のトレードの建玉と仕切りの「現実」との間には心理的ギャップがあります。
この心理的ギャップのせいで、自分の望む一貫した収益や究極の成功が手中に眼前にあったかのように見える。
一貫した勝者とのこうした違いは、「最高のトレーダーは他人とは違った考え方」=「トレーダー的思考法」があるからです。
「トレーダー的思考法」を取得するために、3つの発達段階を経なければなりません。
- 第1段階:機械的段階
- 第2段階:主観的段階
- 第3段階:直感的段階
『ゾーン「勝つ」相場心理学入門』では特に、第1段階における心理面の技術取得の重要性が説かれています。
第2段階ではマーケット動向の本質について今まで学んだことを利用して、自分のしたいことができるようになった機械的段階を習得した状態です。
第3段階は、自分のしたいようにではなく直感的に判断できるもので、なろうとして慣れるものではないと表現されています。
そのため、『ゾーン「勝つ」相場心理学入門』では第1段階を習得することについて重きをおいており、第1段階では、以下の事項を自分の心をのシステムに組み入れることを目標にしています。
- 際限のない環境で行動するために必要な自己信頼を築く。
- 確立で考えるように心を鍛える。
- トレーダーとしての一貫性に対して強く揺るぎない信念を確立する。
- 売買システムの完璧な執行を学ぶ。
①際限のない環境で行動するために必要な自己信頼を築く。
自己信頼を築くためには、ミスを防ぐ必要があり、必然的なミスを犯す原因となる「恐怖・自己陶酔・マイナスの自己評価」を排除しなければなりません。
自己信頼が強くなれば、自信を深め、トレードの執行が楽になります。
逆に自分への評価が悪ければ、自己破滅の信念に囚われ、集中力・注意力が散漫になってしまい、他の可能性を思い付かなくなります。
そのため、一貫して自分を自然体で、トレードに挑まなけばなりません。
②確立で考えるように心を鍛える。
確率的にトレードを捉えるための心構えは、5つの根本的真実からなります。
- 何事も起こり得る。
- 利益を出すためには次に何が起こるのか知る必要はない。
- 優位性を明確にする一定の可変要素には勝ち負けがランダムに分布する。
- 優位性があるとは、あることが起きる可能性がもう1つの可能性より比較的高いことを示しているにすぎない。
- マーケットのどの瞬間も唯一のものである。
引用:『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』 p207 12項〜p208 5項
この真実を信じることで、トレードを確率のゲームであり、スロットマシーンのハンドルを引く作業と大差ないと確信できます。
②−1 何事も起こり得る。
常に周囲にあり目の前にある情報に、見えていない機会が備わっています。
市場は、自分の優位性がプラスの結果を生むのを世界のどこかにいるたった1人のトレーダーが否定することができます。
「自分は知っている」という考え方は、それが原因でほぼすべてのトレードでミスを犯してしまう可能性があります。
他人がどのように行動し、その行動が自分のトレードにどのような影響を与えるか、前もって知る方法はありません。
そのため、「何事も起こり得る」という信念を確立することによって、自分の心を確率で考えられるようにしなければなりません。
②−2 利益を出すためには次に何が起こるのか知る必要はない。
次に何が起こるのか知っていると決めつけた瞬間、自動的に正解を期待するようになってしまいます。
自分の期待と一致しないマーケット情報は、苦痛として解釈され、苦痛を回避するために「妄想状態」に入ってしまう危険性があります。
満たされない期待ほど精神的空痛の原因となります。
自分の期待を常に状況と調和させ、マーケットが自分を正解にしてくると期待しないことが大事です。
②−3 優位性を明確にする一定の可変要素には勝ち負けがランダムに分布する。
ミクロレベルでゲームの不確実性を信じ、同時にマクロレベルでゲームの予見性を信じなければなりません。
トレードを確率や数字のゲームであると確信しているのであれば、1回の負けトレードや連敗からいかなるマイナスの影響も与えられません。
各プレーの結果を予想する必要もなく、トレード分析・市場調査などで無駄に労力も省くことができます。
②−4 優位性があるとは、あることが起きる可能性がもう1つの可能性より比較的高いことを示しているにすぎない。
優位性とは、単に1つのことがもう一つのことよりも起こる可能性が高いだけであり、トレードが機能することを支持する材料を無駄に集める必要はありません。
10回連続でコインを投げて10回目に裏を出る確率を、直前の情報などで調べようが50%の確率なのと同じです。
自分の優位性で次に起こる事態を楽しみにし、何の条件も躊躇もなく実行する準備をして待ち構えることができます。
②−5 マーケットのどの瞬間も唯一のものである。
私たちの思考回路は、外部環境にある性格・性質・特性に類似したものから、心の環境にある記憶や区別をし、自動的に連想・関連づけてしまいます。
前回のトレードに負けて、次のトレードを仕掛ける時に躊躇いが生じてしまうのも連想のせいです。
連想してしまうと、心の中の認識が現状をあたかも写しているかのような錯覚を起こし、心の中にある認識以外の他の可能性の認識を難しくしてしまいます。
そこから欲求不満・困惑が生じてしまうため、自動的に連想してしまうメカニズムを打ち消さなければなりません。
過去の優位性と今回の優位性が全く同じになっても、そのときのマーケットの展開は必ず異なることを理解する必要があります。
③トレーダーとしての一貫性に対して強く揺るぎない信念を確立する。
「私は一貫した勝者である」という信念の確立し、一貫した成功者・勝者になるには、以下の副次的信念を積み重ねる必要があります。
- 私は自分の優位性を客観的に確認している。
- 私はすべてのトレードでリスクを前もって決めている。
- 私は完璧にリスクを受け入れている。あるいはトレードを見切ることをいとわない。
- 私は疑念も躊躇もなく優位性に従う。
- 私はマーケットが可能にしてくれた勝ちトレードから利益をつかみ取る。
- 私はミスを犯すことへの自分の対応を継続的に監視している。
- 私はこうした一貫した成功の原理の絶対的必要性を理解している。したがってけっしてそれを破れない。
引用:『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』 p302 7項〜p303 3項
③−1 私は自分の優位性を客観的に確認している。
客観的になるには、自分の期待を中立に保ち、常に未知を考慮しなければなりません。
また、負けて損をすることを恐れていたら、恐怖心によるマイナスの影響を受け、客観性と躊躇なき行動力をすることは不可能です。
主観的にトレードすると、「勝たねばならない」「間違えられない」といった感情が生み出され、苦痛を避けようとするメカニズムが働き、マーケットから提供される情報を素直に受け取れません。
よって、「今この瞬間の機会の流れ」への集中を維持し、その流れに乗ることが大事です。
もしも、流れにいないという事実を察知した時、建玉の縮小・トレードを控えるような対応ができます。
③−2 私はすべてのトレードでリスクを前もって決めている。
リスクを前もって決めておくと、マーケットの動向を脅威として理解しなくなります。
脅威がなければ、恐怖・勇気・精神力・自制心が必要なくなります。
「リスクを前もって定義しない、損切りをしない、システム的に利食いしないこと」が犯しやすい過ちであり、これらを取り除くことで、ミスがトレードから消えます。
③−3 私は完璧にリスクを受け入れている。あるいはトレードを見切ることをいとわない。
資金的にも感情的にも自分に不利な値動きの可能性を覚悟して、初めてリスクを完全に許容したと言えます。
リスクに関して責任を持たないと、苦痛・不満のサイクルを放置してしまい、内的葛藤が生じてしまいます。
本当にリスクを受け入れた状態は、精神的不快感・恐れが無い状態で、自分のトレード結果を受け入れることです。
③−4 私は疑念も躊躇もなく優位性に従う。
マーケットがどうであろうとマーケットの好きなままにして、そこから可能性のある機会を認識し、その優位性を利用できる最高の心理状態にしておく必要があります。
トレードを仕掛ける前に、確率的な勝算があると優位性を判断し、ミクロレベルでゲームの不確実性を信じ、同時にマクロレベルでゲームの予見性を信じられなければなりません。
③−5 私はマーケットが可能にしてくれた勝ちトレードから利益をつかみ取る。
マーケットが提供する絶え間ない売買機会を素直に受け止め、中立的にトレード判断が必要です。
しかし、予想外の嬉しい驚きがあったときに、自己陶酔をもたらしてしまうため、ランダムな報酬の依存症にならないように注意が必要である。
予想外の嬉しい驚きがあったときに、自己陶酔をもたらしてしまわないように、自分の規則に厳密でありながらも、自分の期待に柔軟でなければなりません。
③−6 私はミスを犯すことへの自分の対応を継続的に監視している。
一貫して成功するトレーダーになるためにすべきことの多くに、すでに気が付いているからといって、自動的に自分自身の機能になるわけではありません。
自分の心の一部になるまで、自分の思想・発言・行動に注目し、ミスについての自分の考えを把握します。
自分の、目的に焦点を定めて、常に5つの根本的真実と一貫性の7つの原理を確信をもって何度も繰り返します。
自分の目的や目的達成への小さな目標に集中できない自分に気がついた時には、達成目的に適合するように、強い意志と願望によって思想・発言・行動を変えます。
③−7 私はこうした一貫した成功の原理の絶対的必要性を理解している。したがってけっしてそれを破れない。
これらの考えを意識的にそうしようとしなけばいけないのであれば、優勢な矛盾のない信念として、完全に取り入れられていない証です。
これらに対立する信念を非活性化するために、集中した願望を用いて、「私は一貫した勝者である」という信念の確立に努めなければなりません。
④売買システムの完璧な執行を学ぶ。
完璧な執行を行うためには演習が必要で、その方法が示されていました。
トレードを確立的に処理できれば良いので、流動性がある市場であれば株・優位性を確認する売買システムは任意です。
資金面では、1回のトレードを300株で実施して、20回分以上が必要であり、生じる損失は授業料して考えなければなりません。
仕掛け・損切りは任意ですが、具体的に厳格に決定しなければなりません。
仕掛けと仕切りの時間軸は同じにし、日足でトレンド確認を実施します。
利食いについては唯一自分の裁量が入るため、マーケットを読んで最も動きが止まりそうな場所を選ぶ能力が必要です。
しかし、その能力がない場合、300株のうち100株を自分の方向に動くたびに手仕舞う部分利確をする手段が紹介されています。
これらを20トレード厳密に遂行できるか自分を監視し、確立的思考法がアイデンディティーの機能的一部になったか確認します。
『ゾーン「勝つ」相場心理学入門』を読んで今後勉強すべきこと

取引におけるメンタル面の強化について、もっと勉強するべきだと『ゾーン「勝つ」相場心理学入門』を読んで思いました。
また、心理分析・リスク管理を学ぶことができる『ザ・トレーディング』を読んでみたいと思います。
まとめ
『ゾーン「勝つ」相場心理学入門』を書評・要約のようにまとまっていないかも知れませんがご紹介させていただきました。
投資をしていくためには、まだまだトレーニングが必要ではありますが、少しずつ実践していこうと思います。
より優れた投資家になるために、色々な本を読んでみたいと思います。









