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マザリーズ(対乳児音声)の話し方が赤ちゃんに与える影響について

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マザリーズとは、赤ちゃんをあやすときの自然に出てくるやわらかい声かけのことで、専門的には「対乳児音声=Infant Directed Speech」といいます。

「赤ちゃんことば」「育児語」などに変換されることもあります。

マザリーズが、子どもに対して様々な影響を与えることは、多くの研究で明らかになっています。

今回は、このマザリーズが赤ちゃんに与える影響について、まとめさせていただきます。

目次

マザリーズとは?

マザリーズとは、赤ちゃんをあやすときの自然に出てくるやわらかい声かけのことです。

マザリーズの特徴は、以下のようになります。

  • 話す声のトーンが高い
  • 抑揚を大きく
  • ゆっくりしたテンポ
  • 反応を待つように間をとる
  • 同じ言葉/を繰り返す

例を挙げると、泣いている赤ちゃんに「よしよし」「だいじょうぶだいじょうぶ」と声をかけるような感じです。

マザリーズの効果は、「子どもの注意を引きつける・安心感を与える・コミュニケーション能力向上」が挙げられます。

お母さんだけはなく、お父さん・祖父母でも効果的ですので、いっぱい話しかけてあげましょう。

マザリーズの効果①子どもの注意を引きつける

生まれて間もない新生児においてもマザリーズにより注意を向けることは、多くの研究でも報告されています。【Werker J. F., & Tees, R. C.(1984). Cross-language speech perception: Evidence for perceptual reorganization during the first year of life. Infant Behavior and Development, 7, pp.49-63.】

普通のトーンで話しかけるよりも赤ちゃんの関心を引くことができ、赤ちゃんにとっても聞き取りやすくて理解もしやすいので、言語の獲得にはこうした語りかけがとても重要です。

また、お父さんが発するマザリーズは、「危険を知らせる」のに役に立ちます。

男性と女性で読み聞かせをしたとき、確かに女性の方が集中力・興奮度が高くなりますが、お化けや怪獣が出てくる怖い本では男性の方が高くなります。

男性の声の方が、身の危険に関する注意に対して引きつけることになります。

マザリーズの効果②安心感を与える

マザリーズのゆっくりとした抑揚のある音声が、赤ちゃんに快感と安らぎを与えます。

マザリーズは、模倣しやすい特徴であり、乳児は養育者の声や表情から感じられる情動を感知し、 情動調整・情動調律をしていくようになります。【Stern, D. M., Spieker, S., Barnett, R. K., & MacKain, K.(1983)The prosody of maternal speech: Infant age and context related changes. Journal of Child Language, 10, pp.1-15.】

いわゆる「あやす」効果があるといえます。

また、マザリーズには相互作用があり、お母さんの情緒調整機能もあるため、産後うつ対策にも良いとされています。

マザリーズの効果③コミュニケーション能力向上

マザリーズの特徴的な話し方により、意味が分からなくても、声の調子だけで話者の気分や意図を赤ちゃんに伝達します。

成人向けの発話よりも、感情の認識率はマザリーズのほうがかなり高いという結果が出た研究もあります。【Fernald, A.(1992). Meaningful melodies in mothers’speech to infants. In .papousek.,J.urgen&M. Papousek(eds),Nonberbal and communication: Comparative and developmental approches. Cam -bridge University Press.】

また、大人向けの話し方よりもマザリーズの方が、脳の左半球で注意喚起に関連する反応を示すことが明らかになっており、注意をひきつけるだけではなく、言語の理解を促す効果があるということが報告されています。【Zangl, R., & Mills, D. L.(2007). Increased brain activity to infant-directed speech in 6- and 13-month-old infants. Infancy, 11, pp.31-62.】

まとめ

マザリーズが赤ちゃんに与える良い影響についてまとめさせていただきました。

残念ながら、内閣府子ども・子育て白書によると、親子の平均的接触時間は減っており、子どもと触れあい、ゆっくり会話をするといった時間は減ってしまっています。

マザリーズをもっと知って、語りかけをしっかりしてあげましょう。

子どもと触れ合い・関わる時間を増やしてあげることが、子どものため・親のためになりますが、ご自身のペースで育児を出来る範囲で良いものにしていきましょう。