妊娠中にお菓子を食べることはとても敬遠されがちです。
初診のときに産婦人科の先生に「体重の過度な増加に注意してください」と釘を刺された方は私だけはないと思います。
また、お菓子には様々な添加物が入っているのもあり、胎児への影響を考えてしまいがちです。
しかし、空腹時になぜかつわりが出やすく感じたため、どうしても小腹を満たしたい気持ちがありました。
せっかく食べるなら胎児にも母体にも良いおやつ・お菓子を食べたいですよね。
妊娠中の私が個人的におすすめなおやつ・お菓子を紹介させて頂きます。
妊娠中に必要な栄養の一部を、おやつのついでに摂取できるものを選ばせていただきました。
目次
そもそも体重を気にしなくてはならない理由

あまりにも体重を気にしすぎて不足するのは問題ですが、妊娠中に体重が増えすぎると、
- 妊娠糖尿病
- 妊娠高血圧症候群
- 微弱陣痛
といったリスクが高くなります。
妊娠糖尿病
妊娠糖尿病は、妊娠中に起こる糖代謝の異常です。
妊娠すると血糖値が上がりやすくなるので、母体は普段よりも糖尿病を引き起こしやすい状態になっています。
母体は妊娠高血圧症候群、胎児には形態異常・巨大児・流産・死亡などの危険が出てしまいます。
妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群は、妊娠20週以降~産後12週までに高血圧・タンパク尿が出てしまう症状です。
母体は痙攣発作・脳出血、胎児には常位胎盤早期剥離・胎児発育不全などの危険が出てしまいます。
常位胎盤早期剥離とは、赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれてしまう症状です。
微弱陣痛
微弱陣痛とは、陣痛が弱すぎて、分娩が進まない状態のことです。
おやつ・お菓子の量について

「食事バランスガイド」を参考にすると、1日に摂取する嗜好品は200kcal以内が目安となります。
ただし、妊娠前の体重や妊娠中の体重増加量によっては、より少ない量で調整しなければならない場合もあります。
特に、おかしに多く含まれている「脂肪分・塩分・糖分」を抑える必要があります。
そのため、200kcalの半分の100kcalに抑えたほどが良いと思われますが、医師から要注意といわれている場合は自己判断せず、医師の指示に従った食生活を送りましょう。
以降おすすめしますおやつ・おかしは、あくまで個人的な見解ですので、産婦人科医や助産師と相談し、健康管理をしましょう。
おすすめのおやつ・おかし①ドライフルーツ

ドライフルーツは、生のフルーツの水分が抜けて栄養価が凝縮されており、脂肪分が少ないので、妊娠中にもおすすめの食べ物です。
ドライフルーツ全般には、食物繊維・ビタミン・カリウム・鉄・カルシウムが豊富に含まれています。
食物繊維は、便秘解消や整腸作用に効果があるので、便秘に悩まされる妊婦さんには嬉しいです。
カリウムは、妊娠中の手足のむくみの解消につながります。
鉄分は、妊娠中の貧血予防に積極的に摂りたい成分です
しかし、乾燥方法は、果実を天日に干すだけではなく、砂糖を使用したりして脱水乾燥させることもあるため、砂糖を使用しているものは糖分が高めです。
砂糖不使用なドライフルーツを選びましょう。
また、できるだけ保存料・着色料・甘味料・香料などの添加物を一切使用されていないものが良いでしょう。
バナナ(つわり対策におすすめ)

妊娠初期にはドライバナナ・バナナチップスがおすすめです。
ビタミンB6がつわりの症状を和らげるといわれておりバナナには豊富に含まれています。
また、カリウムを1300mg/100g多く含み、むくみの原因となる体内の余分なナトリウム(塩分)・水分の排出の促進効果も期待でき、高血圧を抑えることができます。
妊娠中は、普段の血液量より1.5倍ほどになるため、高血圧になりやすいため、この高血圧を抑える効果は大事です。
食物繊維が豊富で、便秘対策にもなります。
しかし、バナナチップスは、油で揚げたり、甘味料を添加しているものもあるので注意が必要です。
バナナは葉酸を多く含みますが、加熱に弱いため、油であげたりすると葉酸量も減ってしまいます。
できるだけノンフライのものを選ぶと良いでしょう。
マンゴー(妊娠初期の葉酸補給におすすめ)

妊娠中、葉酸を欠かさず摂取し続けることが望ましいとされています。
葉酸を手軽に摂取するためにおすすめなのが、ドライマンゴーです。

マンゴーには、葉酸が84μg/100gも含有されています。
ドライフルーツの中で、トップクラスの葉酸量が含有されています。
妊娠初期の葉酸がたくさん必要な時期におすすめです。
ビタミンAが豊富に含有されていると紹介されることもあり、心配になるかもしれませんが、ビタミンAで摂りすぎが問題になるのはレチノールだけです。
マンゴーに多く含まれるのはβ-カロテンで、610μgが入っております。
β-カロテンの場合は、体の中で必要な量しかビタミンAに変換されず、残った分はそのまま蓄積されるか排泄されるので、ビタミンA過剰摂取になることを心配は必要ありません。
マンゴーにはレチノールは51μgRAEが含有されており、上限と言われている2700μgRAEには程遠いので安心して摂取して大丈夫です。
レーズン(妊娠中期・後期の鉄分補給におすすめ)

レーズンは鉄分を2.3mg/100mgも含有しており、妊娠中の貧血対策になります。
妊娠中期・後期の鉄分がたくさん必要な時期におすすめです。
また、食物繊維が4.1mg/100mgと豊富に含まれていて、腸内環境を整え、便秘解消につながります。
しかし、レーズンなどに含まれるポリフェノールの過剰摂取は胎児動脈管早期収縮の原因となる可能性もあります。
貧血対策になるからと一度にたくさん食べるのはやめましょう。
レーズンもカロリーが少し高めではありますので、砂糖不使用が必須条件です。
おすすめのおやつ・おかし②アーモンド小魚(アーモンドフィッシュ)

アーモンドフィッシュは、魚を手軽に骨ごと食べることができるので、カルシウムを豊富に摂取することができます。
妊娠中に摂取するべきカルシウム量は以下のとおりです。
- 妊娠中や授乳期以外の女性(18歳~49歳):650mg/日
- 妊娠中の女性:900mg/日
- 授乳期の女性:1100mg/日
商品にもよりますが、アーモンドフィッシュは100g当り600〜750mgものカルシウムを摂取することができます。
摂取すべき量を全て得られるわけではないですが、おやつで補う分にはとても期待できます。
また、赤ちゃんの血液・筋肉を形成するために不可欠なたんぱく質・鉄も含まれています。
魚は、カタクチイワシの煮干し=「いりこ」が使われており、大型回遊魚を食べることは水銀を避ける関係で妊娠時は控えることがほとんどですが、小魚であるカタクチイワシならば食べることができます。
アーモンドについては、ビタミンE・マグネシウムも多く含み、これらはカルシウムの吸収促進をさせます。
おすすめのおやつ・おかし③ヨーグルト

栄養豊富で良い菌による効果も期待できるヨーグルトは、妊婦さんにもおすすめの食べ物です。
乳酸菌・ビフィズス菌などが含まれているため、腸の調子を整えてくれるので便秘気味になりやすい妊娠中におすすめです。
善玉菌の活動を活発にして、外から入ってきた病原菌を退治する力を増加させ、免疫力がアップします。
栄養面では、赤ちゃんの骨の形成に必要なカルシウムが多く含まれています。
乳酸菌とカルシウムが結びつくことで、牛乳よりも消化吸収されやすいです。
しかし、加糖のものを選んで食べると、肥満につながってしまいますので、できればプレーンタイプのものが好ましいです。
また、機能性栄養食品等に認定されているヨーグルトを選ぶようにすると、安心して摂取できます
食べにくいときは、上記で紹介しましたドライフルーツを入れて食べましょう。
今では摂取しやすいドリンクタイプのヨーグルトがたくさんあります。
冷たいヨーグルトは体が冷えることもあり、ヨーグルトを加熱してホットヨーグルトとして食べる方法もあります。
おすすめのおやつ・おかし④干し芋

干し芋は、サツマイモを蒸して乾燥させた食品です。
食物繊維5.9g/100gと豊富で、腸内環境を整え、便秘解消につながります。
カリウムを980mg/100gと豊富にカリウムを含んでいるので、むくみの原因となる体内の余分なナトリウム(塩分)・水分の排出の促進効果も期待でき、高血圧を抑えることができます。
干し芋には、ビタミンB・ビタミンC・ビタミンE・鉄分・マグネシウムなど様々な栄養があり、とても栄養豊富です。
こんなに良い効果がありますが、303kcal/100gと高カロリーなのが弱点です。
糖も多いですが、GI値55と低GI食品で、血糖値を上昇させるスピードは遅い方です。
無添加の体に良く、カロリーを抑えたものが必須です。
おすすめのおやつ・おかし⑤こんにゃくゼリー

こんにゃくの主成分は水溶性食物繊維「グルコマンナン」で、食物繊維が豊富です。
善玉菌を増やし腸内環境を整え、血糖値の上昇を抑える役目もあります。
水溶性の食物繊維の理想摂取量は2.9gになっております。
こんにゃくゼリーで有名な「ララクラッシュ」なら食物繊維1.6g/個ほどです。
また上記であげたお菓子・おやつに比べて、8kcal/個ほどとカロリーが低いことも特徴です。
一口サイズのカップに入ってるものだとすぐ食べることができ、匂いもしないので食べつわり中にうってつけです。
カップタイプ以外にもハンドパックタイプもあり、ゼリー飲料のように気軽に食べられます。
「トクホ」に認定されているものがありますので、それを選ぶようにしましょう。
まとめ
妊娠中の私が個人的におすすめなおやつ・お菓子を紹介させて頂きました。
だいぶ偏った意見ではありますので、多様な意見の一部だと思って頂きまして、参考にしていただければと思います。
妊娠中に必要な栄養の一部を、おやつのついでに摂取できるものを選びましたが、日頃の食生活も合わせて整えていきましょう。























