投資の勉強をするために、たくさんの本を読んで勉強しています。
『東大生が学んでいる一生役立つ「株」の教科書』を読んでいるだけでは記憶になかなか残りにくいため、インプットした知識を整理して、
- 「読んで勉強になったこと」
- 「理解が及ばず、さらに勉強をしなくてはいけないこと」
を感じたままに書き留めています。
とても勉強になりましたので、書評・要約のようにまとまっていないかも知れませんがご紹介いたします。
目次
『東大生が学んでいる一生役立つ「株」の教科書』とは?
| 読みやすさ | |
|---|---|
| 専門性 | |
| 役立ち度 |
- 著者:
- 出版社:SBクリエイティブ
- 発売日:2021/10/20
- ページ数:240ページ
【目次】
- はじめに
- 第1章 プロだけが知っている本当の「株式投資」の基本
- 第2章 「何を買うか」銘柄選びと短期投資
- 第3章 「売り買いのタイミングをどう考えるか」長く続けてしっかり儲けるために
- おまけ 株式投資をはじめる時に最低限知っておきたいガイド
『東大生が学んでいる一生役立つ「株」の教科書』は、東大金融研究会の「株」や「投資」の講義をまとめた1冊です。
東大金融研究会とは、東大生を主体に様々な大学生900名が集まって「投資」や「金融」を学ぶ研究会です。
著者の外資系のヘッジファンドにて20年間ポートフォリオ・マネジャーとして活躍し、ロジカルで再現性の高い投資の仕方で、普通の個人が勝てる方法を紹介していきます。
著者の「プロの投資法」は、はじめての方でも、今うまくいっていない方にも、資産設計に役立てていただけるものになります。
『東大生が学んでいる一生役立つ「株」の教科書』を読んで勉強になったこと

『東大生が学んでいる一生役立つ「株」の教科書』は、多くの人が行っている株式投資が間違っていることを教えてくれます。
著者が、20年間リスクを抑えて確実に利益を出してきた投資手法が記載されています。
本書の大事だと思ったことを、章ごとにまとめたいと思います。
はじめに
【はじめにの小見出し】
- 講義の前のガイダンス①日本の「間違いだらけの株式投資」
- 講義の前のガイダンス②なぜ投資が必要なのか考えてみよう
講義の前のガイダンス①日本の「間違いだらけの株式投資」
株式投資はギャンブルではなく、ロジカルで再現性の高いものです。
しかし、日本の個人投資家は以下のような投資をしてしまっている。
- 再現性の低い方法での投資
- ネット上に飛び交う信憑性に乏しい株式情報をもとにした投資
- 株式情報の不公平性を知らないままでの投資
著者の方法を実践することで、大きく儲からないかもしれないが資産設計の1つとして活用できます。
講義の前のガイダンス②なぜ投資が必要なのか考えてみよう
日本の経済成長が見込めないため、株式投資は必要です。
2053年には日本の人口は20%減少して1億人を割り込み、GDPもその分減少することが見込まれます。
自分の所属している企業において給料の伸びは限定的かもしれないが、その企業以上に成長している企業が他にあるならば、その企業の株に投資することによって成長の恩恵を受けることができます。
第1章 プロだけが知っている本当の「株式投資」の基本
【第1章の小見出し】
- そもそも「投資ってどんな仕組み」?
- プロが投資する商品、投資しない商品
- 「株式」投資ってそもそもどんなもの?
- 株式市場は不公平?
- 株式投資をするなら、チェックしておきたい情報とは?
- 普通の人が生涯安心できる株式投資とは①チャートは単なるオカルト?
- 普通の人が生涯安心できる株式投資とは②デイトレーダーのように画面に張り付かなくても投資は成功できる
- 普通の人が生涯安心できる株式投資とは③ネットの情報をうのみにするな!
- 普通の人が生涯安心できる株式投資とは④個人投資家でもプロ投資家に勝てるフィールドがある
そもそも「投資ってどんな仕組み」?
個人でもできる投資対象として以下のものが挙げられます。
- 株式
- 債券
- 投資信託
- 外国為替(FX)
- 不動産
- コモディティ(金、プラチナ、先物取引など)
- 暗号資産(ビットコインなど)
プロの投資家は、自分達が責任を持って負うことのできるリスクが何であるかをしっかり見極めたうえで、投資するかどうかを決めます。
価値の見積り方がわかっていないものには投資はせず、「儲かりそうだから」「他の人が投資して儲かっているから」という理由では投資をしてはいけません。
プロが投資する商品、投資しない商品
著者が投資をしないものとして、「FX」「コモディティ」「暗号資産」「不動産」をおすすめしていません。
「FX」は、信用取引でレバレッジをかけて儲ける商品設計であるため損失が大きくなり、為替価格の見積りができない。
「コモディティ」「暗号資産」は、本質的な価値を計算することが難しい。
「不動産」は、価格の不透明性があり、プロのカモにされて終わるリスクが高い。
逆に著者が勧めているのは、「株」「投資信託」「債券」です。
「株式」投資ってそもそもどんなもの?
「株」は企業がお金を集める手段です。
株式という形で企業に資本提供をする見返りに、「配当金」「株主優待」が送られます。
最終的に企業に残る「税引後当期純利益」は、株主のものになります。
倒産したら株主として投資した金額は全部返ってこないなど、元本は保証されません。
株式市場は不公平?
株式市場では、政府・金融機関・外国法人・デイトレーダー・一般投資家などたくさんの人が売り買いしています。
同じ市場で取引しているが、得られる情報の質と量が違います。
株価が動く要因として、マクロ経済などの「市場要因」、個別企業の業績やニュースなどの「個別要因」があります。
個人投資家が株式投資で勝つためには、プロの投資家に対して情報面で大きく水をあけられているようなエリアで勝負を試みたら、確実に負けます。
株式投資をするなら、チェックしておきたい情報とは?
プロの投資家でも「マクロ経済の予測から将来の株価動向を予測するのは困難」だというスタンスをとっているので、市場要因はそんなに重要ではありません。
重要なのは個別要因で、特に個別企業の業績動向・ニュースがとりわけ重要です。
普通の人が生涯安心できる株式投資とは①チャートは単なるオカルト?
チャートは、値動きのある資産が過去にどのような値動きをしたのかを示しています。
このチャートを分析することによって、将来の株価がどのように動くかを予測することを「チャート分析」「テクニカル分析」と呼びます。
この分析と比較される手法として、バリュエーション(企業評価価値)が割高か割安かを弾き出す「ファンダメンタルズ分析」があります。
チャート分析は再現性が乏しいため、プロはファンダメンタルズ分析を基本とします。
普通の人が生涯安心できる株式投資とは②デイトレーダーのように画面に張り付かなくても投資は成功できる
プロの投資家は頻繁に売り買いを繰り返すことはありません。
株の値動きが怖い場合は、ミニ株など投資金額を小さくすることが良いです。
普通の人が生涯安心できる株式投資とは③ネットの情報をうのみにするな!
株式投資で情報は命だが、ネットなどのクオリティが低い情報を手に入れても時間の無駄です。
会社四季報なども見れば誰にでもわかることで、情報の優位性がありません。
優位性の低い情報とは、「簡単に手に入れられる情報・単なる感想に近い内容・市場参加者の大半にとって既知の情報」のことです。
株価に折り込まれていない優位性の高い情報が求められます。
普通の人が生涯安心できる株式投資とは④個人投資家でもプロ投資家に勝てるフィールドがある
プロが見ていない銘柄に勝機があり、時価総額の低い銘柄が良い。
時価総額が小さいと、大口投資家はトレードすることができず、ウォッチしているアナリストの数も少ないです。
時価総額で500億円未満、より安全を期すなら200億円未満という小さい企業を丹念に調べて、将来が有望なところを探して投資をすればよい。
第2章 「何を買うか」銘柄選びと短期投資
【第2書の小見出し】
- 本当の優良銘柄とは何か?
- 【素人が勝つ株式投資①】時価総額と流動性が低いものを選ぶ
- 【素人が勝つ株式投資②】アナリストがカバーしていない銘柄も個人が勝てるエリア
- 決算書は「売上高」と「営業利益」だけ確認すればいい
- 短期投資の基本の基本 業績予想をして業績進捗率と比べてみる
- 3C分析で業績予想を立ててみよう
- 実践:決算書で企業の状況を予測してみる
- 業績予想をするためには、数字を「分解」する
- 「バリュエーション」で割安株を見つける
- PERで割高・割安を判断する
- PBRは1倍を割れたら割安⁉︎
- ROE=株主に対してどれだけ利益をあげられたのか
- 実践・バリュエーションで「割安株」「成長株」を見つける
- 「大量保有報告書」は誰でも参考にできる
本当の優良銘柄とは何か?
著者は優良銘柄を、定められた一定期間内で株価の上昇率がTOPIXの上昇率を上回る期間がより長かったものとし、市場平均値を超えて値上がりした銘柄であると考えます。
TOPIXの時価総額上位1000銘柄を過去10年間・120か月に渡って調べ、TOPIXの上昇率を上回る月が60%以上の銘柄はたったの22銘柄しかありませんでした。
この22銘柄の共通点は、安定成長型で比較的キャッシュフローがしっかりしていることです。
【素人が勝つ株式投資①】時価総額と流動性が低いものを選ぶ
時価総額が低く流動性が低い銘柄は、プロの投資家が市場内で捌ききれない手が出しづらいです。
【素人が勝つ株式投資②】アナリストがカバーしていない銘柄も個人が勝てるエリア
時価総額が低いと、アナリストがカバーしていない可能性は高く、「<企業名>アナリストカバレッジ」と検索すると、企業のIR情報の中で担当しているアナリストがわかるサイトが見つかります。
また、「IPO(新規公開株)」もアナリストがカバーできていません。
決算書は「売上高」と「営業利益」だけ確認すればいい
アナリストがカバーできていないので、自分で調べる必要があります。
有価証券報告書を最低でも目を通し、「当期の業績についての説明」「今後の見通し」は確認します。
また、IR担当者に直接連絡して、決算書の内容について問い合わせてみましょう。
短期投資の基本の基本 業績予想をして業績進捗率と比べてみる
自分で業績予想をする方法は以下の通りです。
- 適時開示情報に開示されるその企業の月次の数字やニュースフローを見ながら企業業績を立てる
- その予想と、会社の予想が乖離している場合、IR担当者に確認する
- バリュエーション(その時点でその株が安いか高いか)を判断する
短期売買で利益を上げるならば、営業利益の増減を予想をするだけでも十分です。
IR担当に確認すると良いことは以下の通りです。
- 売上動向はどうなのか。何のセグメントが良くて、何が悪いのか。その要因は何なのか。それは長期化するのか一時的なのか。
- 原価はどうなっているのか
- 販管費で特に計画と比較してより使うコストはあるのか。逆に計画ほど使わないコストはあるのか。
3C分析で業績予想を立ててみよう
決算書を3つのポイントで見て、購入する銘柄・タイミングを考えていきます。
- 全体の指標と比べる:他の業界よりも魅力的か
- 同業他社と比べる:同業他社と比べて競争力があるか
- 売上成長率と営業利益率などの過去からトレンドを把握する
実践:決算書で企業の状況を予測してみる
上記の3つのポイントで実際に予測してみる。
計算が大変な人のために、エクセルの表のQRが載せられています。
業績予想をするためには、数字を「分解」する
今期の売上高の予想利益を出す方法は以下の通りです。
- 前期の売上高に予想成長率をかけて今期の予想売上高を出す
- 今期の予想高に予想営業利益をかけて、今期の売上高の予想利益を出す
売上高から原価と販管費などのコストを差し引いたものが営業利益になるため、コストが今後どうなるのかを予想すれば、営業利益を予想することができます。
より細かく調べるためには、売上高を細かく分解していくことができます。
- 事業セグメントごと
- 地域ごと
- 既存店・新規出店ごと
- 四半期・月次ごと
- 客数×客単価
- 社員数×社員1人あたりの売上
- 市場規模×シェア
「バリュエーション」で割安株を見つける
株価のバリュエーションを判断するには、PRE(株価収益率)が定番です。
PER=株価÷1株あたりの当期純利益
PERで割高・割安を判断する
PERは3つの基準で比較します。
- 対TOPIXで比較する
- 同業他社と比較する
- その銘柄の過去の推移の水準と比較する
PBRは1倍を割れたら割安⁉︎
株価のバリュエーションを測るには、PBR(株価純資産倍率)もあります。
PBR=株価÷1株あたりの純資産
これは企業を解散させたときに、株主に対してその企業が持っている純資産を配当したときの価値と考えられ、PBRが1倍割れの銘柄を割安と判断されています。
しかし、資産の中身を細かくチェックして、賃借対照表に計上されている金額と実際に評価されている金額との付け合わせをすることは不可能であり、賃借対照表の数字をあてにして良いかわからない。
そのため、そこまでPBRについては重要としていません。
ROE=株主に対してどれだけ利益をあげられたのか
株主に対してどれだけの利益を上げたのかという、ROE(自己資本利益率)が近年注目を集めています。
ROE=税引後当期純利益÷自己資本×100
企業が継続的に安定した利益を上げ続けられるか、利益成長は期待できるかをみることができます。
1つの目安として、ROEは8%以上が必要とされています。
実践・バリュエーションで「割安株」「成長株」を見つける
割安株についてはPERは3つの基準で比較して探します。
- 対TOPIXで比較する
- 同業他社と比較する
- その銘柄の過去の推移の水準と比較する
成長株については、売上高・営業利益が対前期比で20%以上で探します。
成長株は3期先程度の成長まで織り込む必要があるため、PERは割高に評価されるが、許容されるPERは50〜60倍までです。
「大量保有報告書」は誰でも参考にできる
人からの伝聞で投資先を選ぶのは、絶対にしてはいけません。
しかし、大量保有報告書で米国の機関投資家が買っていることを参考にすることは価値があります。
第3章 「売り買いのタイミングをどう考えるか」長く続けてしっかり儲けるために
【第3章の小見出し】
- 株価は上がったり下がったりを繰り返す
- 買いはじめるタイミングはバリュエーションで考える
- 資産設計としての株式投資①株式投資との付き合い方を決める
- 資産設計としての株式投資②長期投資と短期投資とどちらがいいか
- 資産設計としての株式投資③長期投資でみるべきポイント
- 自分に合った「投資期間」を探す
- 大損しないために相手の理屈がわからない時はひとまず逃げる
- 「買ったら忘れたほうがいい」は単なる怠慢
- 株価が動く範囲はわかる⁉︎
- 分散投資の仕方
株価は上がったり下がったりを繰り返す
株式を買い手と売り手が綱引きをやっているため、株価は上下をします。
ケインズの美人投票のように、心理戦で株価は動きます。
買いはじめるタイミングはバリュエーションで考える
バリュエーション的に安いと思った時に株式を購入しますが、確信したタイミングは存在しません。
安いと思ったときが買い時で、満腹になるまで買わず、何回に分けて買います。
予想外に高くなったら、追撃買いはせずに何もしません。
資産設計としての株式投資①株式投資との付き合い方を決める
短期的にも長期的にも「どのくらいの期間その株を持つか」を決めて、自分でどんなふうに企業が成長していくかのシナリオを描いておくことが大事です。
このシナリオから外れたら、損切りをして売ってしまいます。
資産設計としての株式投資②長期投資と短期投資とどちらがいいか
資産設計として買うのであれば、長期投資前提で購入する。
投資にかける時間がないので、ファンダメンタズを見ながら長期投資する。
短期投資は1・2年勝つことはできるかもしれないが、勝ち続けることが非常に難しい。
資産設計としての株式投資③長期投資でみるべきポイント
長期投資の際は、キャッシュフローを確認する。
フリーキャッシュフローが安定的に黒字の銘柄の方が良い。
自分に合った「投資期間」を探す
自分がなぜその株式に投資するのかという理由とその投資をいつまでに回収するかを決めてから投資するべきで、そこで決めた保有期間は順守するべきです。
シナリオが崩れた場合は利食い・損切りをするべきだが、自分の得意な時間軸で投資を行う。
大損しないために相手の理屈がわからない時はひとまず逃げる
自分が買った後、逆の方向に株価が動き始めたら、売り手の気持ちになってなぜ売っているのか必死で考える。
売り手の理屈が全く思い付かないような時は、たとえ損失が生じてたとしても、潔く損切りする。
「買ったら忘れたほうがいい」は単なる怠慢
週に1回は株価をチェックする。
株価が動く範囲はわかる⁉︎
1ヶ月のボラティリティを出すことで、株価の変動幅を前もって受け入れることができる。
分散投資の仕方
国内株式でも分散投資が必要で、ポートフォリオが固よいらないように、次のような分散方法があります。
- 業種別:東京証券取引所では33業種に分けられる。
- サイズ別:時価総額ベースで、大型・中型・小型に分けられる。
- スタイル別:成長株か割安株か
『東大生が学んでいる一生役立つ「株」の教科書』を読んで今後勉強すべきこと

『東大生が学んでいる一生役立つ「株」の教科書』を読んで、しっかりとファンダメンタルズ分析を勉強し直さなければと思いました。
四季報・決算短信・有価証券報告書などを駆使して、「ファンダメンタル投資」を実施することが学ぶことができる『ファンダメンタル投資の教科書』を読み直してみます。
また、テンバガーなどの成長株だけに主眼を置くのではなく、ファンダメンタルズ分析もしっかり解説された古典『ピーター・リンチの株で勝つ』を読み直してみます。
まとめ
『東大生が学んでいる一生役立つ「株」の教科書』を書評・要約のようにまとまっていないかも知れませんがご紹介させていただきました。
投資をしていくためには、まだまだトレーニングが必要ではありますが、少しずつ実践していこうと思います。
より優れた投資家になるために、色々な本を読んでみたいと思います。








