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お母さんの声が赤ちゃんに与える良い影響について ~安心感と言語機能~

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母親の声が、子どもに対して様々な影響を与えることは、多くの研究で明らかになっています。

お母さんの声が子どもにどのような影響を与えるかについてまとめさせていただきます。

目次

お母さんの声はいつから子どもに聞こえているのか

胎児の脳は妊娠6ヶ月でできあがり、同時に聴覚もできています。

羊水があるので、30m離れた人に聞こえるほど大きな声で叫ばないといけないほどの音量じゃないと、外からの音は聞こえません。

しかし、母親の声は、心音・雑音に混じって、体内で反響して子宮の中の胎児に届きます。

米スタンフォード大学医学部の研究では、母親の声と知らない女性の声の録音を聞かせた場合、1秒に満たない声でも97%の正確さで母親の声を言い当てるほど、母親の声に対してとても反応しています。

父親の声はというと、生まれるまで聞いたことない声で、アカの他人です。

聞きなじみのある声である母親の声は、子どもに「安心感を与える」「言語機能の働きを強める」効果があります。

今回は、それらのお母さんの声が赤ちゃんに与える良い影響について、まとめさせていただきます。

お母さんの声が与える安心感

生後3ヶ月位で体内の記憶は忘れると言われていますが、情緒面に大きな作用があり、胎内で聞こえていた音に安心感を特に感じます。

お母さんのお腹にいたころからすでにお母さんの声を認識しているので、お母さんの声を聞くことは心地良いことなのです。

「CNN」が伝えるところによると、2010年に実施された調査で母親の声でストレスホルモンが減少していくことも明らかにされています。

絵本などの「読み聞かせ」が、子どもに与える影響も多く報告されており、母親の読み聞かせは、母と共にいる安心感と心地よい響きが、子どもと母親を密接に結びつける重要な要素です。
【松野憲二(1999). 楽しい学習について . 明星大学教育学研究紀要 , 14, 18-27.】

また、幼児の共感性の発達を促し、幼児のその後の人間としての心の発達、つまり心の健康性にとって重要な意味を持っていると報告されています。
【大辻隆夫・塩川真理(2000). 幼児の共感性に関する研究-幼児の不安に対する母親の共感的応答の分析を通じて- . こころの健康 .5(1),69-78.】

しかし、残念なことに、父親の声に関しては胎児の頃は聞こえていないため、父親の声は安心感という点では全く効果がありません。

効果がないですが、父子の絆の形成のためには大事なことですので、父親も優しく声掛けをしてあげましょう。

お母さんの声が与える言語機能の強化

安心感だけではなく、言語機能・コミュニケーション機能にも良い影響を与えます。

慶應義塾大学文学・中央大学・首都大学東京の研究グループは、生後2~7日の新生児が母親の語りかけを聞くことで前頭部~側頭部の脳機能結合を強めることを見出しました。

特に左脳前後の言語回路や右脳前後の声の認識に関わる回路、つまりコミュニケ―ション機能に関わる回路が強まっていました。

「読み聞かせ」の分野でも、母親の声を聴くことで、言語野の活性が確認されている報告があります。

まとめ

お母さんの声が赤ちゃんに与える良い影響についてまとめさせていただきました。

残念ながら、内閣府子ども・子育て白書によると、親子の平均的接触時間は減っており、子どもと触れあい、ゆっくり会話をするといった時間は減ってしまっています。

子どもと触れ合い・関わる時間を増やしてあげることが、子どものため・親のためになりますが、ご自身のペースで育児を出来る範囲で良いものにしていきましょう。